始まりは戦前の昭和9年(1934年)頃。

場所は現在でもオカの事業所がある海南市別院で、ロープを中心とした棕梠の製造業を営んでいました。昔から海南の棕梠製品は耐久性と弾力性を併せ持ち、植物性の油脂を多く含んでいることから水にも強く丈夫で長持ちすると言われ、戦時中には軍事物資として統制を受けたほどです。そんな中、近所の棕櫚職人さんからは「タカノスケさん（初代）のロープはよく売れる」と評判になるほどの品質を誇っていました。

現在の相談役であり2代目の岡甫が家業を引き継いだのが昭和37年（1962年）頃。当時、製造・販売の中心は玄関やキッチンなどのマット類。素材は海外から輸入される麻が主流でした。

交通網もままならない時代でしたが和歌山から京阪神へと販売エリアを拡大し、製品もバスルーム用品からインテリア小物まで広がりをみせます。

さらに中京圏へ販路を拡大し、より人口の多いエリアへの進出を目指して首都・東京へ進出しました。

昭和46年（1971年）頃からキッチンやバスルーム、トイレ用品などさまざまな繊維製品の製造を手掛けるようになりました。商品の多様化に伴い製造工程を一から見直し、素材やデザイン、品質など製品の一つ一つにお客様の声を反映。初代から現在まで脈々と受け継がれた「より良いものを正直に、商品を売る前に信頼を売る」のポリシーのもと、どこよりも正直に一つ一つの製品を誠実に作り続けてきました。

昭和47年（1972年）、事業発展に伴い社名を「オカ株式会社」と改めて法人化。この頃、業界に先駆けて提案したのがトイレタリー用品のトータルコーディネートです。

トイレを部屋の一つとして、使い心地だけでなく居心地の良さも追求。今では見慣れたホルダーカバーの予備ロール収納もオカの発案。その他スリッパやタオル、マットなど統一感のあるファッショナブルなデザインが主婦層に支持され、雑誌等多くのメディアにも取り上げられました。

昭和59年（1984年）、創業50周年を迎えて本社ビルを新設し倉庫も増築。当時、綿素材が中心で吸水性は良いが乾きが悪いなどの声もあり、それらの問題をどのようにすれば改善できるのか、一つ一つ検証して研究・開発を続けていました。常にお客様の声に向き合い、品質の向上に努めて問題を解決。それが業界初の滑らないキッチンマット「優踏生」になり、バスマットに革命を起こした超ロングヒット商品「乾度良好」へとつながっていきました。

平成4年（1992年）、リピート率No.1のバスマット「乾度良好」を発表。こちらもお客様の声に応えて今までの製品を糸から見直し、繊維会社の協力のもと一つ一つの問題を掘り下げて研究・開発。

要望に応えつつ内部の人間がユーザーよりも厳しい目を持って提案することで、四半世紀を超えるロングセラー商品となりました。

現在、一般家庭だけでなく全国の温泉や旅館、スポーツクラブで採用。プロが認めるバスマットとして評価をいただいています。

平成12年（2000年）以降、安価な製品の輸入や大型量販店の製造小売化などさまざまな問題が立ちはだかりました。生産性至上主義の価格破壊。しかし直営工場を持つオカだからこそ、ピンチをチャンスに変える「お客様から選ばれるモノづくり」を変わらずに行ってきました。

その思いが世界水準の織機（ヴァンデヴィーレ製カーペット織機）の導入や光触媒除菌繊維の開発など、新技術を加えた現在までのオリジナルブランドへとつながっています。

平成19年（2007年）、社長が3代目・岡洋平に代変わり。3代目も先代と同様、モノづくりに対して誠実にお客様から「もう一度 買って頂ける よい商品を創ろう」というオカの信念を貫いています。販売ルートの新規開拓としてはインターネットに着目。ダイレクトにお客様と結び付くことができる貴重なルートとして、単なる販売ツールではなく新しいオカブランドのファンづくりを進める上で、大きな足がかりを得ることができました。

平成22年（2010年）に自社ブランド「PLYS」を発表。PLYSの構想は現社長が営業として各地を飛び回っていた時代から始まり、10年余り熟考しての販売となりました。

コンセプトは「使うたびに愛着が芽生えてくる、暮らしに嬉しい生活雑貨」。30代から40代をターゲットに、品質と使い勝手にデザインをプラス。外部デザイナーとタッグを組み、キッチンやバス、トイレなどシーンに合わせた機能美を追求。数々のグッドデザイン賞を受賞しています。